主将の7月戦線復帰が見えてきた。首痛による影響で2軍調整中のソフトバンク小久保裕紀内野手(38)が22日、故障後初めてバットを使った練習となるティー打撃を実施。順調にいけば、7月上旬に実戦復帰するプランを示した。チームは2年ぶりとなる5連敗を喫するなど苦境に陥っているが、反攻への準備は着々と進んでいる。

 おぼろげにしか見えなかった小久保の復帰ロードが、くっきり浮かび上がってきた。6月1日のヤクルト戦以来となるバットの感触が、背番号9には懐かしかったはずだ。ティー打撃で45スイング。途中までは力の入れ具合を探りながらだったが、最後は「5割くらい。やろうと思ったら、もっとやれたけれど、久しぶりだったので」(小久保)と自らストップをかけたほど。噴き出る汗も心地いい。ユニホームからスポーツウエアに着替えると、きっぱり言った。

 小久保

 今週はティーをやって、できれば来週、フリー(打撃)をやりたい。ティーが100の力でやれて、フリーが打てるようになれば、すぐに試合に出られる。

 順調に回復することが大前提だが、7月上旬を実戦復帰時期に見定めたのだ。

 手応えは、ある。首痛の影響で力が入らなかった左胸や三頭筋(上腕後部)にも、しっかりとパワーが伝わってきた。「胸は、ほぼ治ってきた。まだ三頭筋は4割くらいやけどな」とは言うが、バットスイングに影響なかったことを考慮すれば、大きく道は開けたと言える。

 この日、ウオームアップ後には三塁と一塁でノックを受け、プレーに関するメニューが増えてきた。最短での実戦復帰プランを進めば、6月29日にフリー打撃を再開し、7月6日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(雁の巣)で試合復帰となりそうだ。もちろん、急ピッチで仕上げるあまりの負傷再発だけは避けなければいけない。無理せず調整を進めていったケースでも、7月球宴(23、24日)前後の1軍復帰が目標となるに違いない。プロ17年目での思わぬ試練を乗り越え、主将が7月戦線に帰ってくるはずだ。

 [2010年6月23日10時53分

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