逆襲の使者になる-。故障で2軍調整していた中日ディオニス・セサル外野手(33)が2日、1カ月ぶりに1軍に合流した。大阪・伊丹空港に姿を見せたセサルは笑顔が絶えなかった。「状態はいいよ。2軍でも試合に出ていたから」。2軍戦が行われた神戸から合流し、1軍の選手とともに落合監督の故郷・秋田に乗り込んだ。到着後、こまちスタジアムでの練習では指揮官の前でフリー打撃、外野守備を披露し、スタメン出場をアピールした。

 「1カ月もいなかったわけだから、何か少しでも役に立ちたい」。6月4日のロッテ戦で守備の際にフェンスに激突し、右肩を負傷した。その試合まで4試合連続安打とようやく本来の打撃を見せ始めた直後の故障だった。本人はもちろん、首脳陣も頭を抱えた登録抹消だった。それだけに胸に期するものはある。

 落合監督にとって、セサルは逆襲の起爆剤と期待する存在だ。チームは2位阪神との上位対決に1勝2敗と負け越し、逆転優勝どころか、2位の座もかすみかけている。特に打線の不振は顕著。森野、和田、ブランコの主軸が打てなければ勝率が極端に下がる。打開策として指揮官は「入れ替えるしかないだろう。2軍で準備しているやつらがいる。2、3日すればわかるよ」と話していたが、切り札がセサルだった。

 3日ヤクルトの先発は秋田出身の左腕石川が予想される。前回、07年の秋田遠征ではヤクルトに2連敗しており、落合監督の故郷で3連敗するわけにはいかない。開幕からいまだ真価を発揮していない新助っ人が爆発すれば、チームも逆襲への1歩を踏み出すことができる。【鈴木忠平】

 [2010年7月3日10時50分

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