<ヤクルト3-2広島>◇11日◇神宮

 勝てたのが不思議な試合だった。ヤクルト打線は3併殺で、先発の由規は6回で5四死球。単純な走塁ミスで2度もチャンスをつぶしたが、1点差勝利。小川淳司監督代行(52)も「ミスが出た中でよく勝てた」と苦笑いするしかない白星。それでも3連勝で4位に浮上した。

 ふがいないプレーの中で光ったのが、小川監督代行の手堅い作戦だった。5回無死一、二塁から3番の飯原に送りバントさせ、勝ち越し点につないだ。「3番だし、本当は打たせたかったんだけど、状態がよくないと判断したので」と説明。飯原は初回無死一、二塁から外角のチェンジアップに注文通りの併殺。3回無死一塁から左前安打を放ったが、内容のいいヒットではなく、併殺寸前の当たり。固定観念にとらわれず、選手の状態を見ての作戦変更が功を奏した。

 情けないプレーの連続でも、勝利につながったのはベンチ隅に置かれた「つば九郎人形」の御利益かもしれない。チームリーダーの宮本は「連敗中だった7日の阪神戦から置いたんですけど、負けちゃったんです。でも、人形の下に台を置いたら勝つようになったんですよ」と話すように、大事にした“つば九郎効果”での3連勝だった。【小島信行】

 [2010年7月12日9時40分

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