<日本ハム1-5オリックス>◇11日◇札幌ドーム

 オカダ流催眠術が効いた?

 オリックス近藤一樹投手(27)が日本ハム打線を7回 1/3を4安打1失点に抑えて4勝目。岡田彰布監督(52)から登板前のブルペンで「(得意の)ソフトバンクと思って投げえ」とささやかれていた。今季日本ハムに3戦で0勝2敗の近藤は、ソフトバンクには通算12勝。相手をかもと思い込み?

 見違えるような快投でチームを勝率5割に復帰させた。

 楽天ルイーズが仲間にホームランを打たせる特殊能力者なら、こちらは催眠術師といったところか。近藤の4勝目でチームの連敗がストップ。ご機嫌回復の岡田監督がとっておきの秘策をニヤッとして明かした。

 「交流戦明けのハム戦で自分のピッチングができんかったからな。今日はヤフードームでソフトバンクやと思って投げえ、言うたんや」。

 登板前のブルペンに足を運び、ウオーミングアップする右腕に助言。ソフトバンク戦は7月4日も8回1失点で勝ち、通算23勝のうち12勝を挙げる、お得意さま。「マウンドも土も違うけど、声をかけてもらい、安心感を持てました」。素直な性格の近藤の心は札幌から飛行機で1500キロ先の福岡へ飛んだ。苦手のハム料理ではなく、得意の鷹狩り-。岡田監督の思惑通りに催眠状態に陥った。

 初回は逆球が多く、2四球と暴投で先制点を献上。ただ、すぐに立ち直った。「ブルペンの感じと(マウンドが)違っていて、思うところと違う場所に足が着いていた」。踏み込み足を微修正すると、2回からはフィニッシュでバランスを崩すほどダイナミックに腕を振るフォームが復活。7回は3者連続の空振り三振も奪った。「ささやかれ投法」で2回以降はゼロ行進させ、8回途中4安打1失点。難敵ケッペルとの4度目の投げ合いにも勝った。

 近藤は今季日本ハムに3試合で0勝2敗だった。特に6月20日は3回に3四球で2死満塁として降板していた。岡田監督は「カードによって置きにいく投球しとったからな。大胆に投げるのが持ち味。一番いい特徴を変えたらアカン」と満足げ。これで再び借金ゼロ。「(13日からの)9連戦で1つでも2つでも貯金つくって後半戦にいきたい」。ナインにこの言葉をささやけば、目標に近づいていくかも…。

 [2010年7月12日12時23分

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