<オールスターゲーム:全セ5-5全パ>第2戦◇24日◇ハードオフ新潟

 魔球使いはダルだけじゃない。阪神久保康友投手(29)が全セの2番手で登板し、2イニングを6人で締めた。100キロを切る魔球でパ打線をかく乱した。

 4回も2死までこぎつけ6人目の打者は日本ハム小谷野。カウント2-0から、勝負球は98キロのパームだった。バランスを崩しながらも魔球を投げきり、タイミングを外した二ゴロに打ち取った。前夜は日本ハム・ダルビッシュの「ライジング・カット」が話題になったが、虎の魔球使いが初の球宴でベストピッチャー賞に輝いた。

 「ジョーさんのサイン通りです」。22球中4球がパームだった。中学時代の悩みが「魔球」を生み出した。「縦に抜けるカーブがなかったから他の球種が必要だった」。縦のカーブが投げられず、試行錯誤した。ふと親指と小指で挟んで投げたとき、ボールが面白いように落ちた。「最初はそれがパームって知らなかった。友達に『それパームだよ』と言われて知った」。遊びだけで封印していた魔球を、プロ入り後に試合でも使い始めた。

 ベンチでは5打数連続安打を記録した中日森野に“専門外”の打撃理論を請うた。「ゆったりと構えられていたので。どこまで近づけるかですね」。今季4打点を挙げている右腕は真剣そのもの。「あしたから仕事モードで頑張ります」。お祭りの収穫はいっぱいだった。

 [2010年7月25日11時54分

 紙面から]ソーシャルブックマーク