<中日4-1阪神>◇7日◇ナゴヤドーム

 猛虎打線も夏バテ?

 阪神が、2カ月以上なかった3連敗を喫した。今季初先発だった中日のベテラン山本昌にほんろうされ、散発5安打に終わった。1番マートン、3番鳥谷の打線テコ入れも空回り。連敗中はいずれも1得点で2カード連続の負け越しが決まった。とはいえ、巨人も負けて首位とのゲーム差0・5差が変わらないことが救い。真弓監督も「明日は勝つ!」と力強く連敗脱出を誓った。

 鬼門ナゴヤドームで、試練のときを迎えた。開幕から快進撃だった強力打線が夏バテだ。3試合連続で1得点。攻撃力の低下により、5月19日~22日以来となる3連敗を喫した。夏のロードは2カード連続で負け越しが決定。真弓監督にとって、我慢の時期だ。「踏ん張りどころか」と報道陣から問われ、力強く言った。「そうや!

 明日は勝ちます!」。敵地での同一カード3連敗の阻止を宣言した。

 試合前に指揮官が動いた。打順のテコ入れだ。打撃不振のマートンを5月22日オリックス戦以来となる1番に、そして鳥谷を3番に戻した。開幕当初のスタイルで、気分転換を図った。「ちょっとつながりが出てなかったから。きっかけになればいいかな、と」。後半戦が始まる前から、温めていたプランだった。「状態次第では打順を戻すことも含め、しっかり見極めていくつもりだ」と考えを明かしていた。この日で1勝7敗と圧倒的に分が悪いナゴヤドームで、決断した。

 しかしカンフル剤に即効性はなかった。マートンは初回に相手エラーで出塁するが、4打数ノーヒット。今回の9番勝負は8試合で34打数5安打と深刻な状態になってきた。不幸中の幸いは、本人が明るさを失っていないことだ。「長いことやっていれば、こういうこともある。結果に満足はしていないが、キャンプからやってきて、こういうことも想定している。1番大事なのは、10月に野球をやっているということ」。自分の成績に執着しすぎず、チームの勝利に貢献することを考えている。

 マートンに限らず、状況を打開するにはどうすべきか。「虎キラー」の異名を持つ中日山本昌に阪神通算で45勝目を献上したが、指揮官は敗因を自軍に求めた。「みんな、疲れは出ているんだろうけどね。みんな、調子が落ちている」。3番鳥谷はチーム唯一のマルチ安打で元気だったが、金本、城島、11試合連続安打中だったブラゼルまでもが無安打。長いシーズンで打撃陣の不調は必ず来る。最少のダメージで切り抜けるためには、1点にこだわる野球で浮上のきっかけをつかみたい。【田口真一郎】

 [2010年8月8日11時20分

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