左手首痛で登録を抹消されたソフトバンク松中信彦外野手(36)が患部の手術を回避し、早ければ来週中にも実戦復帰することが14日、分かった。16日に痛み止めの注射を打ち、3日ほど様子を見た上で問題がなければ打撃練習を再開し、2軍戦で実戦復帰する見込みとなった。

 松中はこの日、西戸崎室内練習場でリハビリを再開。「(左手の)痛みは以前と変わらない」と話し、ランニングなどの下半身強化や右手だけでのティー打撃を行った。

 前日13日に精密検査を受け、この日球団から「三角繊維軟骨複合体(TFCC)損傷」と診断結果が発表された。TFCC損傷は手術での完治が一般的ながら、手術に踏み切れば今季中の復帰は絶望的となる。松中はリハビリ後に福岡ヤフードームを訪れ球団と方向性を確認。今季中の復帰を最優先し、シーズン中の手術回避を決断した模様だ。

 6月23日日本ハム戦で負傷して以来、痛みをこらえプレーを続けてきた。シーズン中の手術を見送っても、完治を見据えればオフにメスを入れる可能性は高い。ただ7年ぶりのVにかける思いは誰よりも強い。前日13日には王会長も「手術は最後の手段。9月の勝負どころに何とか戻ってきてもらいたい」と早期復帰を熱望した。優勝経験のある主砲が、体を犠牲にしてもV争いのグラウンドに戻ってくる。

 [2010年8月15日11時49分

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