<ロッテ9-2西武>◇24日◇千葉マリン

 西武中村剛也内野手(27)が緊急昇格することが24日、明らかになった。チームは3位ロッテに逆転負けし、今季3度目の4連敗。先発出場するかは手術した右ひじの状態を見て判断する。3チームが2ゲームにひしめく大混戦に、頼れる主砲がカンフル剤となるか。片岡易之内野手(27)は3年連続50盗塁をマークした。

 西武が優勝への切り札ともいうべきカードを切る時がきた。シーズン終盤の大事な時期に、今季3度目の4連敗。首位は辛うじて守ったが、3位まで2ゲーム差以内の大混戦を招いた渡辺監督は「連敗を止めないといけなかったけど、ここにきて投打のバランスがおかしくなっている。明日はなんとしてもやり返さないと」。試合後、30分に及ぶミーティングを開き、2軍調整中だった中村の緊急昇格を決めた。

 6月に右ひじを手術した中村の早期昇格には、慎重だった。先週から実戦復帰した2軍4試合で、12打数6安打1本塁打7打点をマーク。渡辺監督は、再発防止のため「守備も見て、万全になってから」と考えていた。三塁で先発出場した22日の試合は守備機会がなく、一時は判断を見送った。ただ、これ以上の連敗は致命傷になる。手を打たないわけにはいかなかった。

 決定力不足は、この日も深刻だった。今にも崩れそうだったロッテ先発マーフィーをつかまえられない。2-1とリードした3回と4回の満塁機に無得点。「一気にいかないといけないのに、ボール球に手を出して相手を助けてしまった」と絶好の追加点チャンスを逃すと、しびれを切らしたように先発許が5回に5点を奪われて崩れた。

 2年目の浅村と入れ替えで、打撃好調の2年連続本塁打王が25日のロッテ戦から復帰する。「早く1軍の戦力になりたい」と話していた中村が、救世主になる。【柴田猛夫】

 [2010年8月25日10時31分

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