<中日1-0横浜>◇10日◇ナゴヤドーム

 遅れてきた“ダルビッシュ世代”が首位奪取の力になった。中日岩田慎司投手(23)が7回を2安打無失点の好投。スライダー、カーブ、シュート、フォーク…。多彩な変化球を駆使して、最後まで的を絞らせなかった。8回に浅尾にバトンを渡したが、勝ち星に等しい快投だった。

 岩田

 大事な負けられない試合なので、先に点を取られないように粘り強く投げた。1球、1球集中してました。最後まで集中しないとあのマウンドでは投げられませんから。

 エース吉見が5日、右ひじの違和感を訴えて登録を抹消。代わりに1軍に昇格したのが岩田だった。首位奪りのかかった試合で、エースの穴を埋めた。

 岩田

 緊張していたけど、小田さんに『この試合で投げられる喜びを感じて投げろ!』って言われてそうだなと思った。

 大卒2年目でプロ初勝利は今年の7月19日横浜戦。同学年の日本ハム・ダルビッシュや西武涌井に比べると知名度もまだまだ。「向こうは一流投手ですから」と謙遜(けんそん)するが、負けるつもりはない。プロ1勝目のウイニングボールは『初勝利』と書き込み、両親が留守の間にこっそりと実家に置いてきた。

 エース吉見が来週中にも登録される見込み。今後の起用方法は明確ではない。ただ、背番号28が優勝に必要な戦力であることは証明した。【桝井聡】

 [2010年9月11日10時40分

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