<巨人2-5横浜>◇23日◇東京ドーム

 巨人の先発ディッキー・ゴンザレス投手(31)が感情を爆発させた。2-2の6回、横浜カスティーヨに決勝2ランを打たれた。攻守交代でベンチに戻ると、グラブをたたきつけた。いつもは温厚な右腕が見せた珍しいシーンが、この日の1敗の“重さ”を象徴しているようだった。

 悔いの残る失点だ。2死から四球を与えた。続くカスティーヨをカウント2-1と追い込んだが、空振りを狙ったスライダーが真ん中に入り、左越えの1発をくらった。「変化球が抜けてしまった。その失投が今日のすべてです」と、09年の移籍後初となった横浜戦黒星に肩を落とした。3回に許した先制点はハーパーの2ラン。2番手久保は、8回に村田にソロを打たれた。5失点すべて本塁打によるものだけに、原監督も「反省するところはあるでしょう」と渋い顔だった。

 打線はまたも大家にやられた。手元で微妙に動くボールに苦戦。2点を追う4回、2死から3連打で同点とした以外は、ほとんどチャンスをつくれなかった。これで今季4試合で2勝を献上。自慢の強力打線も、大家には打率2割2分7厘と沈黙する。伊原ヘッドコーチは「対策を練っているのに。誰とは言わないが、いつもの自分の感覚のまま打撃をしている人がいる」と苦言を呈した。

 連勝が2で止まり、再び3位に後退した。首位中日も敗れ2・5ゲーム差は変わらないが、もはや「不幸中の幸い」では済まされない。残り10試合を切った今、挽回(ばんかい)の機会は後わずか。ちょうど1年前の9月23日、中日を倒しリーグ3連覇を果たした。あれから1年。状況はガラリと違うが、優勝の可能性は消えていない。次戦への戦い方を問われた原監督は「一緒。変わらず準備して、しっかり戦うということです」と即答した。まだ、4連覇の旗印を降ろすわけにはいかない。【古川真弥】

 [2010年9月24日8時32分

 紙面から]ソーシャルブックマーク