横浜が大型複数年契約で国内フリーエージェント(FA)権を行使する内川聖一内野手(28)の引き留めに乗り出した。8日、同内野手が横浜市内の球団事務所を訪れ、行使に必要な申請書類を提出。その際、残留に向けての話し合いを行い、球団は推定4年10億円という条件を提示したもようだ。

 残留か、移籍かについて明確な意思表示はしていない内川だが、球団側には「勉強する意味でも、他球団の水をのんでみたい気持ちもある」と移籍を念頭に置いた発言をしている。球団は最大限の条件で引き留めを行う構えで、佐藤球団常務は「順当に行ったときには、単年ではなく複数年だが、一番の稼ぎ頭になる。その辺りは知らせたつもりです」と話した。三浦の3年9億円を年数、総額で上回る条件を提示したとみられる。内川は「自分の中で納得できる額は高くない」と金額面を焦点にしない意向だが、誠意を示した形だ。

 内川は「複雑な部分は当然あるが、自分の野球人生なのでしっかり考えたい。『さあ、やるぞ』と思わせてくれる球団でプレーしたい」と話し、獲得の意思を持つすべての球団と交渉のテーブルにつく考えを示した。球団は獲得を希望する他球団との交渉が終了した後に、再び話し合いを持つことを希望している。「これだけ大改革した中で、今年も結果を出せなかった。どうやったら強くなれるのかを聞いてみたい」と金額面ではなく、環境面とモチベーションを重視する内川の期待に応えられる回答を示せるかが、交渉の焦点となりそうだ。【鈴木良一】

 [2010年11月9日8時41分

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