阪神関本賢太郎内野手(32)が今季中に取得した国内FA権を行使し、年俸7500万円(推定)プラス出来高の3年契約でチームに残留する意志を表明した。FA申請期限最終日となった16日、代理人同席のもと2日連続でFA交渉を行い決断。入団から14年を過ごした愛着ある球団でのプレーを希望した。

 「甲子園の打席に立つということは何事にもかえられない。タテジマ以外の自分のユニホーム姿が想像できなかった。甲子園の打席が好き。それに尽きます」。シーズン終了から約1カ月。関本が悩み抜いた末に出した答えは、自身がプロ野球選手として第1歩を踏み出し、球界を代表するバイプレーヤーとなるまでに成長させてくれた球団でのプレー続行だった。

 今季は平野恵一内野手(31)の活躍や若手選手の台頭もあり、ベンチを温める機会が増えた。出場試合数も79試合にとどまるなど、3年ぶりの規定打席未到達。シーズン終了直後は「(移籍か残留かで)すごく悩んだ。自分の中で(結論が)二転三転した」と一時は他球団でのプレーも選択肢にはあった。ただ、最終的には球団に対する思いが上回り、慣れ親しんだチームでのさらなる活躍を誓った。

 来季でプロ15年目。チームでは桧山進次郎外野手(41)の20年に次ぐ2番目の生え抜き選手だ。「目指すところはスタメンでの出場だがとにかく与えられたところでベストを尽くす。来年も甲子園で暴れたい」。勝負強さと内野ならどこでも守れる器用さを併せ持つ男はスッキリした表情で来季の活躍に思いをはせていた。

 [2010年11月17日11時28分

 紙面から]ソーシャルブックマーク