主将が大砲カブレラの指導役だ。ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が23日、ホークス入団が決定的なアレックス・カブレラ内野手(39=オリックス)の怠慢走塁を許さない姿勢をみせた。ポジション争いのライバルにも走塁を重視するチームの伝統をきっちり植え付ける決意だ。

 福岡の地元商店街でのトークショーで、小久保が主将の顔をのぞかせた。質問コーナーで「カブレラをどう押さえつけますか?」との問いが飛んだときだった。ジョークを交えながら、はっきりとチーム方針を伝える思いを打ち出した。

 小久保

 ケンカしたら負けるけどね。同級生(同い年)なんで遠慮することはない。ウチは走ることを大事にしているチーム。『しっかり走ろうや』と言う。西武のときより、オリックスに行って、だいぶ走るようになりましたけどね。

 今季パ・リーグで断トツの148盗塁を決めたように、足攻めの意識が高い。盗塁だけでなく、常に次の塁を狙う意識が浸透され、走塁面でも手を抜くことが許されない。併殺崩しの徹底や一塁まで走り抜くことも気を使っている。小久保は09年、全力疾走を怠った多村をミーティングで名指しで叱責(しっせき)したこともあった。カブ砲にも、07年までの西武時代に多々あった怠慢走塁は主将として許さないつもりだ。

 同じ一塁のポジションを争う強力なライバル。当然、相手をDHに追いやる必要があるのは自覚している。「でも押さえつけるには試合に出ないといけないからね」と言葉を続けた。指導者役を買って出たのは自分へのゲキでもある。

 カブレラは24日に誕生日を迎え、小久保と同じ39歳。気兼ねなく言い合える仲でもある。

 小久保

 カブレラとは一塁でようしゃべるんですよ。アイツ、よう話しかけてくるし。ちょこっと日本語、あとは英語で。打ったら走るのは、当たり前。何も心配してませんよ。

 小久保はこれまでに、FA入団する内川や細川を2月春季キャンプで食事に誘うことを公言した。走攻守の3部門で悪いプレーを引きずらないホークスの伝統を伝えるのが目的。大砲カブレラにも、主将の務めをきっちりと果たす。

 [2010年12月24日11時41分

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