【グアム(米国)13日=久保賢吾】巨人坂本勇人内野手(22)が、メジャー流でスローイングの改造に乗り出した。21失策を犯した昨季の反省から、今季は守備力アップを最大のテーマに据えている。グアム自主トレでは、05年に大リーグ・ヤンキースにコーチ留学した岡崎ヘッドコーチ直伝のスローイング修正術を導入。メジャー屈指の遊撃手、デレク・ジーター内野手(36)も取り組んだ練習法で、進化を目指す。

 全体でのノックを終えた坂本が、おもむろに腰を下ろした。パートナーの藤村を相手に、足を組んだ状態でキャッチボールを開始。「メジャーの選手とかがよくする練習だから」と藤村に解説し、球の回転やリリースポイントを意識しながら、スローイングを繰り返した。

 岡崎ヘッドコーチから伝授された練習法だった。同コーチは05年にヤンキースにコーチ留学。メジャー屈指の遊撃手ジーターら、多くの選手が取り組んできた練習法だという。ジーターは素早く正確なスローイングに定評があり、ゴールドグラブを5度受賞。坂本も「岡崎コーチから聞いたんですが、海外ではよくやっているらしいんです。いいものは取り入れたい」と練習メニューに加えた。

 エラー数を減らすために、スローイングの正確性は絶対条件だった。昨季は21失策を犯し、半分の10個を送球が占めた。昨季まで中日の2軍監督を務めていた川相2軍監督も、スローイングの修正に着眼。坂本自身も、正確なスローイングを身に付けるための対策を思案した。地肩は強く、送球の正確性が加われば、日本を代表する遊撃手への道が見えてくる。

 下半身の使い方も入念にチェックした。この日は、西武中島が取り組む下半身の体重移動を意識しながらの送球法をメニューに追加。「(捕球後)右足にしっかりためてから左足に移す練習です。うまい人は下半身をうまく使っている。自分も見習っていきたい」と貪欲だ。胸の奥にあるのは、ゴールデングラブ賞への思い。「レギュラーで出させてもらっている以上、取りたい賞です」と話すように、初受賞へ静かに闘志を燃やす。「エラー数何個とかじゃない。広く守れて、投手に信頼される野手になりたい」と強く決意した。

 [2011年1月14日11時17分

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