西武菊池雄星投手(19)が久々に味わう快感の余韻に浸った。23日、西武室内ブルペンに入り、捕手を立たせて直球のみ33球を投球。左肩の故障明けを感じさせない躍動感あるフォームから、高校時代を思わせる快速球が戻り「昨年はいろいろ考えすぎてたけど、今は何も考えず、気持ち良く投げる快感を求めてやってます」とほおを緩ませた。

 花巻東時代に甲子園をにぎわせた左腕は、3年夏に左脇腹を痛めてから歯車が狂った。故障をかばい、試行錯誤して左肩も痛めてプロ1年目を棒に振ったが「今は痛みもないし、日に日に良くなってる感じがする。こんなに気持ちよく投げられるのは1年半ぶりくらい。調子がいい時の、はね返る感じが出てきた」と忘れかけていた好調時の感覚もよみがえりつつある。

 あまりの“別人”ぶりに、チームメートから「飛ばしすぎじゃない?」の声も出るほど。受けた4年目捕手の中田は「昨年と全然違う。ぎこちなさがない。5、6割の力で140キロは出てる」と言った。昨年の苦労を知るだけに、違いは鮮明に映った。結果を出して何倍も気持ち良くなるために、菊池が「原点」という投球時の快感を追求する。

 [2011年1月24日9時41分

 紙面から]ソーシャルブックマーク