佑ちゃんが上々の第1歩を踏み出した。日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が13日、韓国サムスンとの練習試合で実戦初登板を果たした。名護市営球場に収容人数を上回る5200人が集まる中、4回から2番手で登板。上位打線を相手に1回無安打無失点に抑えた。

 佑ちゃんの投球術に、メジャー通算55本塁打の主砲も驚きの声を上げた。サムスンの3番ライアン・ガーコ外野手(30)が、実戦デビューを果たした日本ハム斎藤と4回1死、2番目の打者として対戦。3ボール2ストライクからの低め真っすぐを打ち、遊ゴロに倒れた。「ルーキーの初戦なのに、あれだけ集中して投げられるのはたいしたもの。カウント3-2からあそこに放れるのはすごい。きっといい投手として成功していくと思う」と、レベルの高さに舌を巻いた。

 今季からサムスンに加入しているが、05年にはインディアンスでメジャーデビューを果たし、07年には138試合に出場して21本塁打、61打点を記録した実績のある長距離砲。レッドソックス松坂とも対戦経験があり、4打数2安打(2二塁打)と打ち込んでいる。松坂との比較については「まだキャンプの早い時期だから難しい」とは話したが、「いい投手だということは、対戦した打者全員が感じたと思う」と絶賛した。

 元中日の落合投手コーチは「今日は正直、驚くようなボールはなかった」と感じたが、斎藤は球威ではなく制球や配球で勝負するタイプ。空振り三振を喫した朴漢伊が「全部直球じゃないみたいだった」と振り返ったように、微妙な変化にサムスンの打者はとまどった。

 斎藤との対戦が決まって以降、情報収集して「プロの厳しさを見せたい」と盛り上がっていた韓国の強豪サムスンだったが、結果は打者3人で無安打。柳監督も「安定した制球が印象的。2ストライク以降、落ちる球で三振が取れる能力があると思う。いい投手になる」と、活躍に太鼓判を押していた。【本間翼】

 [2011年2月14日8時3分

 紙面から]ソーシャルブックマーク