パフォーマンスはなくても、佑ちゃんにはひたむきなプレーがある。日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が30日、4月3日に先発予定の東日本大震災の被災地復興支援を目的とした「12球団チャリティーマッチ」楽天戦(札幌ドーム)での快投を誓った。

 斎藤にとっては3回9失点した21日阪神戦以来、2度目の慈善試合となる。「この前はふがいない投球をしてしまったので、早くファンに先発としていい投球を見せたい」。この日、パ・リーグから公式戦日程の変更が発表され、デビュー戦が1日ずれて4月17日ロッテ戦(札幌ドーム)に決定。あいまいだった目標も、ようやく定まった。

 日本中が暗いムードに包まれる中、スポーツの力を実感した。前日29日のサッカー日本代表対Jリーグ選抜の慈善試合。「テレビで少しだけ見ました」。横浜FCのFWカズが決めた1本のシュート、そして代名詞となったパフォーマンス「カズダンス」は多くの感動を呼んだ。

 早実時代はマウンド上でハンカチを取り出し、汗をぬぐう姿で注目を浴びた佑ちゃん。高校野球最後の兵庫国体でもパフォーマンスを披露するなど、サービス精神は旺盛なほうだが「パフォーマンスは多分ないです。いずれ、引退する時にでも…」。今はただ、新人らしいひたむきなプレーで、日本中に元気を届ける。【中島宙恵】