<慈善試合:横浜0-6阪神>◇3日◇横浜

 自身初の開幕投手を務める能見篤史投手(31)が不安を一掃した。発熱による登板回避で、3月23日以来のマウンドとなったが、信頼は揺らぐことはなかった。6回を4安打無失点。走者を毎回出しながらも、本塁を踏ませる気配は全くなかった。

 「もうちょっと長いイニングを投げたかったけど、あとは気持ちです」。

 練習試合のラスト登板で、準備は完了した。

 開幕戦の再延期により、最も影響を受けるのは、開幕投手だ。実はこの日が、3度目の「最終登板」だった。ポーカーフェースが代名詞の左腕は、集中力の維持がうまい。「応援してくれる方に、いい姿をみてもらいたかった」。慈善試合という舞台でも力むことはなかった。

 横浜打線がファウルを打つ場面が目立ち、直球のキレが際だって見えた。「しっかりと腕を振って投げられた。ゼロに抑えるのが、第一なので」。打席では2度バントを成功。内容、結果ともに納得のいくものとなった。

 4月12日、広島との開幕戦(甲子園)には、中8日の間隔で向かう。「(開幕投手か)分からんよ」。真弓明信監督(57)はとぼけた。ただニヤリとした表情に、大きな期待は隠せなかった。