<中日0-3巨人>◇6日◇ナゴヤドーム

 左の大黒柱がついに帰ってきた。左内転筋を痛めて出遅れていた中日チェン・ウェイン投手(25)が今季初登板を果たした。6回1/3を5安打3失点と負け投手にはなったが、苦しむオレ竜に一筋に光が差した。

 チェン

 8番の加藤選手に無駄な四球を出したので、余計に自分の苦しい場面を作ってしまった…。

 反省したのは7回。1死一塁から加藤、矢野に連続四球を与えると、坂本に抜けたフォークを中前まで運ばれた。この日の最速146キロ。150キロ超の直球を投げ込む本来の投球スタイルとはまるで違った。それでも、苦しみながら6回までゼロを並べるあたりはさすがだった。

 長くつらいリハビリ期間もストイックな姿勢を貫いた。2軍の練習開始時間はほとんどが午前10時。チェンは1時間半前の午前8時半にナゴヤ球場に行き入念なアップで股関節をほぐすと、その後は入浴。ケガをしないよう細心の注意を払いながら毎日の練習に臨んだ。体にキレを出すためにキャンプから約8キロの減量にも成功。ベスト体重84キロをキープしている。

 チェン

 疲れはなかった。次は下半身をもっと使えるようにして、まっすぐの威力を戻したい。

 落合監督は「こんなもんだろう。毎年こんなもんだ。あまり良くないけどな。そのうち良くなるんじゃないか」と余裕の笑みを浮かべた。チームは借金2で5位転落。厳しい状況に変わりはないが吉見、チェンの2枚看板がシーズン序盤でそろった。5月反攻の態勢は整ってきている。【桝井聡】