「ウォーリーイズム」で虎を討つ。楽天星野仙一監督(64)が27日、選手に今再び気迫を出したプレーを求めた。今日28日から仙台で阪神戦。就任後、公式戦で古巣と初対戦する。仙台行きの新幹線を待つ東京駅。最初は「借金同士か。オレの発奮材料になってもな」と静かに苦笑いした。

 ただ「選手がどう思っているか」と前置きすると、一気に熱がこもった。「俺らのころは巨人戦は“ビタミン剤”。勝ったら勢いがつくから。楽天は一番伝統のない球団。そこが巨人や阪神といった伝統ある球団と戦う。どう気持ちを出していくか」と、やや顔を赤らめ、まくし立てた。

 熱いものを思い出していた。この日、中日でエースとして仕えた故与那嶺監督のお別れ会に出席。温和な外見とは裏腹、グラウンドでは闘志あふれた故人をしのんだ。「ウォーリーは生きています。私が『ウォーリーイズム』を楽天で作っています。必ずいい地盤を築き、ウォーリーに報告したい」とあいさつ。喪の黒ではなく、クリムゾンレッドのネクタイで決めた。与那嶺監督最後の試合前、投手星野はロッカー室で涙したという。「いつも胃薬を飲んでいた。監督はつらい仕事なんだなと」。恩師に負けない強い決意を述べた。

 偶然、駅の同じホームにJリーグ横浜の面々がおり、人であふれていた。中村俊輔もいたが、「知らん。サッカー選手でも蹴飛ばせい!」。天国から闘魂を注入されたのかも知れない。パワフルなジョークを飛ばし仙台へ。いざ、虎をたたき巻き返す。【古川真弥】