そら、巻き返しよ。オリックス岡田彰布監督(53)が30日、投打のキーマンを1軍に緊急昇格させた。キャプテン後藤光尊内野手(32)とエース金子千尋投手(27)がほっともっと神戸での練習に合流。今日31日からの2連戦に臨む横浜には現在10連勝中。最下位に定着しているチームにとって数少ない“ボーナスカード”だ。後藤は「自分のやれることをやるだけ」と短い言葉に決意をみせた。不動のはずの3番打者も打率を2割まで下げ、12日に2軍降格。故障以外の理由で登録抹消は7年ぶりの屈辱だった。昨年17打数6安打、打率・353と得意にしたカードで、たまりにたまったエネルギーを発散する。

 金子千は、2軍での最終登板が雨で流れての合流。交流戦3試合で起用をにおわせていた岡田監督は「どうなるか分からん。分かっとっても言えるもんかい」と多くを語らず、登板日のかく乱に入った。昨季リーグ最多17勝右腕がチームへ与える影響は大きい。金子千は「ここからというか、まだ先は長い」と責任感たっぷり。有力視される6月3日からの広島2連戦(マツダスタジアム)での今季初登板に「何とかなると思います」と圧倒的な存在感をみせた。昨年王者が巻き返しに必要な最後のピースたちをそろえた。【押谷謙爾】