<日本ハム5-0阪神>◇5月31日◇札幌ドーム

 阪神守備陣が、乱れに乱れた。5回に左翼林威助外野手(32)が何でもないフライを落球。7回には三塁手新井が一塁に悪送球。その他にも記録に残らないまずいプレーが続き、最後まで流れをつかめなかった。打線が湿っているというのに、これじゃあ、みすみす勝ちを捨てているようなもの。しっかりしてや!

 貧打に、守備の乱れ…。今季5度目の完封負けで、阪神の借金は再び「8」となった。

 ◆落球

 浮上できないチーム状態を表しているのか、集中力を欠いたプレーが目立った。5回裏1死に、ぼうぜん自失のシーンがあった。左翼に舞い上がった平凡な飛球。これを林が落球した。「照明が目に入ったけど、あれは自分のミスです」。グラブで止めることもできず、後ろにスルーで二塁まで打者走者を進めてしまった。

 ◆送球が…

 6回にはミスの連続だ。1死一塁でメッセンジャーのけん制に、一塁走者の中田が飛び出し。楽々のアウトと思いきや、ブラゼルの二塁送球がそれて、セーフ(記録は盗塁)。さらに敬遠で城島が立ち上がったが、メッセンジャーがその初球で指を引っかけたのか、コントロールミス。城島のミットをはじき、危うく三塁に進めるところだった。いずれも失策はつかないが、これではリズムに乗れない。7回には新井も一塁への送球を乱し、この試合で2個目のエラーが記録された。

 見どころのない敗戦だったが、真弓監督はそれでもナインをかばった。「集中力はあるが、ああいうプレーが出るときもある。集中力がないと思っていない」。守備の乱れにも、声を荒らげることはなかった。貧打の質問にもグッと感情を抑えた。「打てるときもあれば、打てないときもある。とにかく我慢して、バッターも、ストライク、ボールを見極めて、我慢して、調子を上げていかないと」。月が替われば、流れが変わるほど甘くはない。一刻も早く浮上の糸口を見つけなければならない。【田口真一郎】