「男前」キャラが定着した阪神藤井彰人捕手(35)の男前グッズを球団が緊急発売することが4日、明らかになった。2日連続のお立ち台で自らの「顔」をネタにして一気に知名度アップ。球団もさっそく動いた。5日からはナゴヤドームで2・5ゲーム差で追う2位中日と直接対決。藤井彰は接戦を想定し、粘り勝つ戦略を描いた。

 甲子園のスタンドが男前なマスクであふれるかも?

 2、3日の横浜戦で連続してお立ち台に上がり、すっかり定着した藤井彰の男前キャラに球団が素早く反応。男前グッズの作成に着手したことが判明した。

 「男前がキーワード。顔しか取りえがないというセリフを取り出したい」と商品担当は言う。Tシャツやタオルなどが今月中にも発売される予定だ。

 打てばナインに「さすが男前」といじられ、お立ち台では「顔しか取りえがないですけど…」「打撃は顔ほど自信ないんですが…」と自らネタにして甲子園を盛り上げた。

 藤井彰の活躍と、明るいキャラクターに乗せられるように阪神は完全に勢いに乗った。5日からは昨年2勝10敗と大の苦手にした鬼門ナゴヤドームで2位の中日と対決。2・5ゲーム差を追うライバルとの一戦は前半戦のヤマ場の1つといえる。

 攻守でカギを握るのはもちろん、藤井彰だ。虎の頭脳はシンプルにゲームプランを描いた。

 「中日は投手がいいというか、ロースコアの試合が多い。大味な試合はなかなか難しい。少ないチャンスをものにして得点にしないと。ちょっとしたミスもなくしていって、失点を防ぎたい。1点1点というか、粘り強くね」。

 横浜との3試合で41安打、26点と爆発し、完全に目覚めた猛虎打線。勢いを駆って竜も圧倒したいところだが、藤井彰の考えは違った。相手は中日だ。忘れもしない4月17日。移籍初出場で先発したナゴヤドームで、延長10回に0-1のサヨナラ負け。そのカードは5-4、1-1、0-1と僅差の1勝1敗1分けだった。2試合連続でお立ち台に上がった絶好調男が頑として色気を封印する理由もそこにある。

 1点勝負とにらんだ以上、頭を占めるのは守りの方。「四球から得点になるケースが多い。人間がやることだからミスは起きるけど、極力減らしていきたい。中日は1番が足を使い、3番と4番でかえす(パターン)」。具体的なイメージができている。

 3連勝なら2位浮上…。いやいや、そういう色気は禁物。男前な移籍1年生も浮かれず騒がず、策略を練っている。【柏原誠】