<ソフトバンク1-4オリックス>◇30日◇福岡ヤフードーム

 無敵のタカも夏バテ気味!?

 首位ソフトバンクが、オリックスに完敗した。11安打しながらも3併殺でわずか1得点の拙攻。2位日本ハムと5ゲーム差のままだが、ここ5試合で4得点と重量打線が、得点力不足に陥っている。秋山幸二監督(49)も「つながらんな~」とポツリ。首位独走と行きたいところだが、夏の終わりにもどかしい戦いが続いている。

 川崎のバットが空を切る。3点を追う9回2死一、二塁。好機をつくっても、走者をかえすことができない。川崎が空振りの三振に倒れると、秋山監督は表情を変えずに、急ぎ足でロッカールームへ引き揚げた。

 「あとは(打線の)つながりだな。そこだけだ。調子はいいんだけど、うまくつながっていかないとな」

 本塁が遠い。5回には先頭の松田が三塁への内野安打で出塁したが、けん制死。直後に1死一、二塁とオリックス先発金子千を追い詰めたが、川崎が遊併殺に倒れた。6回、4番松中の適時打で1点を返したが、続く5番カブレラも遊併殺…。11安打で1得点と指揮官は、効率の悪い攻撃を嘆くしかなかった。調子の上がらない2位日本ハムにまたお付き合いしてしまった。

 重量打線が夏バテ気味だ。ズラリと長距離砲を並べる打線。だが、8月はわずか10本塁打。15試合しかなかった4月でも12本をマークしている。5月は16本、6月は15本、7月の17本と量産していたが、8月に入ると激減。1発の少なさも打線に元気が出ない原因の1つと言える。

 「T-岡田に2発だな」

 前回の対戦では完璧に封じ込め、2軍降格に追いやった猛牛の主砲を勢いづかせてしまった。今後、優勝争いが佳境を迎える中で、苦手打者をつくることだけは避けたいところ。湿りがちな打線に加え、天敵出現はリーグ2連覇への大きな障害となる。

 「1発が出ないな。明日は出るやろ」

 夏休み最後の今日31日は福岡ヤフードームより、かなり狭い北九州での試合となる。ここ5試合でわずか4点と得点力不足の打線にとっては、どんなこともプラスに変えたいところ。夏の終わりにもどかしい戦いが続く。勝負の9月に弾みをつける意味でも、不安要素を吹き飛ばす快勝がほしい。【奈島宏樹】