逆転Vはあきらめない。阪神鳥谷敬内野手(30)が今日13日中日戦(甲子園)で、プロ史上8人目の1000試合連続出場を達成する。「ただ出るだけじゃなく、そこで結果を出せるかが大事」と、あくまで勝負にこだわる構え。選手会長が自身のポリシーを貫き、結果で虎を再加速させる。

 プロ野球史上、まだ7人しか到達していない領域に足を踏み入れる。7年の月日を経て、鳥谷がいよいよ大記録を決める。今日13日中日戦に出場すれば、史上8人目の1000試合連続出場を達成する。

 まだ1年目だった04年9月9日ヤクルト戦(甲子園)からの長い道のりだった。07年9月は右脇腹に死球を受けた。後に右肋骨(ろっこつ)骨折を判明する重傷だった。10年には腰を骨折し、さらに右手人さし指も負傷。11年も右手人さし指を負傷した。何度も襲う難局を乗り越えてきた強靱(きょうじん)な肉体。それは努力と準備によって培われてきた。

 鳥谷

 最初から試合に出るモノだと考えて、毎日を過ごしています。そうやってずっと試合に出続けていく中で、自然とゲームに向けての準備ができるようになった。

 チームの大先輩には鉄人金本がいる。背中を追うように猛練習を課した。ウエートトレーニングやランニングなど、全体練習前の“自主トレ”にも余念がない。チーム1、2を争う練習量が、連続試合出場のベースとなっている。

 もちろん、あくまでチームに貢献できる実力があっての連続出場。チームに迷惑をかける状態ならば、迷わず自ら欠場を選ぶ。確固たるポリシーがある。

 鳥谷

 ただ出るだけじゃなく、そこでいかに結果を出せるかが大事。

 1000の先には史上7位、虎の大先輩・藤村富美男の1014という数字も視界に入る。だが、7ゲーム差からの大逆転Vを目指す中、個人記録に興味を示すことはない。

 神宮でヤクルトに3連敗した直後、言葉に力を込めた。「あとはもう、相手は違うけど、甲子園に戻って全部勝つつもりで頑張る」。1000の大台到達は、必ず勝利のオマケに変える。【佐井陽介】