すっかり風が冷たくなった甲子園。22日、シート打撃終了と同時に、若虎4人が一塁ベンチ前に集められた。新井良太内野手(28)、柴田講平外野手(25)、上本博紀内野手(25)、大和内野手(23)は直立不動。和田、片岡両打撃コーチの言葉に神妙な表情で聞き入る。時間にして約5分間の公開説教。シーズンも佳境、首脳陣が愛あるカツを入れた。

 「1打席、1球を大事にしろ。試合に出る回数も増えているけど、後ろも入ってくる。レギュラーを取らないと、今の状態で満足していたらクビになるぞ」

 和田コーチはこう諭したという。発端はシート打撃だった。登板間隔が空く秋山が調整も兼ねマウンドへ。首脳陣は打席に立つ若虎の迫力に疑問を感じた。新井良は4打数無安打で2三振。柴田は3打数2安打ながら最終打席はカーブに当てただけの遊ゴロだ。上本は3打数1安打1犠打。大和は見逃し三振を含む3打数無安打に終わった。

 もちろん、結果ではない。もっと試合に出たい!

 何が何でもアピールするんや!

 そんな姿勢を感じ取れず、苦言を呈した。和田コーチは「世間話」とはぐらかしながらも「真剣勝負なんだから。レギュラーじゃないんだから」と力を込めた。成長株の4人だからこそ、ここで満足してほしくはないのだ。

 柴田

 本当に言われた通りです。今ここで頑張らないといけない。特に最後の打席は絶対にやってはいけないことだし、すぐ和田さんに呼ばれました。

 新井良

 その通りだと思う。しっかりやっていかないといけない。

 選手は一様に猛省していた。立ち止まらず、一気に飛躍してくれ!

 熱い思いを受け止め、残り29試合をがむしゃらに戦う。