<フェニックスリーグ:楽天8-5ソフトバンク>◇25日◇ひむか

 左太もも裏を痛めて別調整だったソフトバンクのアレックス・カブレラ内野手(39)が豪快復調打で、CSバトルのゴングを鳴らした。25日、みやざきフェニックス・リーグに1軍が参戦。この日からの6試合でCSファイナルステージ(11月3日開幕)の先発オーダーが決定される。

 このひと振りが、大砲カブレラにはある。左太もも裏を痛めて今月3日に登録抹消されて以降、1軍本隊と別調整を続けていた。再合流初日に、いきなり打った。フェニックスリーグ楽天戦に4番DHで先発。初回1死一、二塁だ。楽天戸村の初球、外角直球をとらえた。右翼越えの2点適時打。ゆっくり一塁到達すると、すぐに代走福田を送られ、試合出場は、この一打だけ。貫禄をみせつけて退いた。

 カブレラ

 自分のバットスピードは上がってきた。打つことはよくなってきている。あとは走る方。1歩ずつ前進している。11月3日に100%にする。

 確かに左足は回復傾向にある。交代後には、すぐに打撃投手2人を引き連れ、室内練習場に直行。全力投球を要求し、30分以上も打ち込んだ。この日は1打席だけだったが、1、2試合はDHとしてフル出場し、宮崎調整を打ち上げるプランもある。

 カブレラが復調すれば、CSのオーダーに大きな変化が出る。シーズン終盤は、内外野を兼任できる福田や明石が台頭し、カブレラ同様に故障を抱える小久保、多村らの出場機会が減っていた。一塁、DHでポジションがかぶる小久保だけでなく、多村、福田、明石らの先発チャンスをさらう可能性がある。4番復帰すれば、終盤に4番に座り続けた松田が5番起用されるなど、打順にも変化が出てきそうだ。

 カブレラ

 短期決戦は投手力が重要になる。ウチの投手はいいから大丈夫だ。

 自軍の投手陣を持ち上げつつ、選りすぐられた相手投手陣を打ち込むのはオレだ、と言わんばかりのコメントだ。左太もも裏痛を再発させても「11月が大事」と言い続けてきた。照準は、すでに11・3に絞られている。大砲の復調打に、指揮官も笑みがこぼれた。

 秋山監督

 あとは足の方だけ。徐々に上げていけばいい。

 巨大戦力を背景にした競争と選手層で、ぶっちぎりのリーグ2連覇を果たした。カブレラの復活で、再び猛烈な争いが幕を開けた。【松井周治】