G倒タッグ結成や!

 阪神岩田稔投手(28)が20日、兵庫・西宮市内の球団事務所で第2回契約更改交渉に臨み、保留した前回から上積みなしとなる2500万円増の推定年俸5500万円で判を押した。査定法に対する疑問も解け、納得のサイン。球団から同じ左腕のエース「能見超え」指令を受け、闘志をメラメラたぎらせた。

 すがすがしい表情がすべて。岩田は迷いなく判を押した。12年シーズンに向け、早くも心のオイルに着火完了。尊敬する先輩の背中に焦点を合わせた。

 岩田

 自分はどこを目標にすれば良いのか、何を求められているのか。来年のモチベーションをどこに持っていったら良いのかを聞いてサインしたかった。

 14日の第1回交渉を保留。今オフではチーム初、自身初の保留は勇気のいる決断だったが、納得を最優先させたかった。前回はメジャー流で活用されているセイバーメトリクスのデータも持参し、貢献度を訴えた。越年更改も視野に入れる中、十分に納得したからこそ、2500万円増から上積みなしの推定年俸5500万円でサインした。交渉時間はわずか30分だった。

 岩田

 しっかりイニングを投げて、能見さんに負けない投手になってくれ、と言われた。タイガースの先発投手と言えば能見さんの名前が一番最初に出てくる。1歩でも近づき、追い越せるようになりたい。

 先発陣の柱とはイニングを投げ、救援陣の負担を減らすもの。当然、イニング数は査定の重要ポイントになる。9勝13敗、防御率2・29の今季はチーム2位の169イニングに登板。1位能見はただ1人、200回超えを果たした。さらなる大幅昇給を勝ち取りたければ、能見を超えろ-。球団からエース指令を飛ばされ、燃えない訳がない。

 岩田

 イニングを投げて1年間ローテを守って、タイガースを引っ張りたい。

 年明けからは4年連続で杉内らと鹿児島合同自主トレに励む。師匠は前日19日、ソフトバンクから巨人へのFA移籍を表明。「違ったチームに行かれて、またいろんなモノを吸収できる」。打倒巨人は、チームにとって来季最大のテーマの1つ。まずは、宿敵エースの技を盗みにかかる。

 岩田

 できれば投げ合いたくはないですね。まあ、シーズンに入ってからの楽しみです。

 冗談交じりのニッコリ顔に自信がチラリ。モチベーションは最高到達点まで高まった。12年の岩田は今まで以上に期待できそうだ。【佐井陽介】