ロッテのドラフト1位左腕、藤岡貴裕(22=東洋大)がマイペース調整を貫く。10日、QVCマリンで新人合同自主トレを開始。約35メートル間のキャッチボールを行い、ラスト3球では「7割ぐらい」の力を込めた。「まだ肩がフワフワしている」と感覚は鈍い。それでも相手をしたドラフト2位中後悠平投手(22=近大)に「思ったより1つ上で捕らないと、グラブの網に当たっちゃう」と、すごみを感じさせる場面もあった。

 注目のブルペン入りについては白紙を強調した。「計算せずに肩をつくりたい。キャンプ初日に入れれば」。多くの新人選手は2月1日を逆算して、自主トレ中にブルペンに数回入る。だが藤岡は左肩と対話しながら決めるつもりだ。大迫フィジカルコーチもルーキー全員に対し「こっちからいつブルペンに入れとは言わない」と大人扱いだ。

 この日は西村監督ら首脳陣も練習を視察。同監督は「飛ばしすぎてケガだけはしてほしくない」と言う。言葉を裏返せば、故障さえなければ、先発ローテ入りの期待をかけているということだ。ラッキーカラーの赤色のウエア、スパイク、手袋を身に着けて始動した藤岡。「とてもいい球場だった。早くマウンドに立ちたい」。1軍での活躍だけを逆算し、ペースを乱さない。【広重竜太郎】