中日高木守道監督(70)は10日、チェン・ウェイン投手(26)のオリオールズ入りを受け、竜投に“チェン枠を奪え”とゲキを飛ばした。静岡・浜松市内で「中日ドラゴンズ浜松後援会」の懇談会に参加。チェンの流出に「いるといないでは大きい。でも予想されたことでもあるし、仕方がない」と表情を曇らせたが、すぐに気持ちを切り替えた。

 「確かに左の先発は少ないけど、去年(故障で)休んでた小笠原がいるし、ファームにも小川、岡田、大野らがいる。みんなにチャンスがある」。チェンは17日に球団を訪れ、お別れ会見を開く。これで先発の台所事情は苦しくなるが、空いた枠を巡って若手が目の色を変えれば、穴は埋まるとの期待だ。「そのために今中(2軍投手コーチ)に入ってもらったんでね。若い選手が上で投げられるようにしてもらいたい」。

 緊急補強についても「この時期ですぐにというわけにはいかない。(取るにしても)メジャーのキャンプが終わって(ロースターの)40人枠から外れた選手になるのでは」と否定。「それより育てることが大事じゃないですか。今年は育てる(1年)ですよ」。若手の台頭が一番の戦力補強と力を込めた。【松井清員】