巨人小笠原道大内野手(38)が20日、白石オーナーさながらに、今季を「無敵ガッツ」への「再興元年」とするような、熱い自主トレを公開した。宮崎春季キャンプの地、木の花ドームで実松一成捕手(31)、田中大二郎内野手(23)と約8時間の練習を披露。いきなり1時間15分の体幹トレーニング。腹筋を中心に体を痛め抜く。15歳年下の田中大が顔面蒼白(そうはく)になる負荷にも、小笠原は涼しい顔で、体も一直線のまま。昼食後は、左右それぞれの手でティー打撃を計140スイング。続いて両手でのティー打撃も154スイング。さらに、白井打撃投手のボールを52スイング。狙い澄ましたように、白井投手を保護するネットに打球を突き刺した。約8時間の練習後「まだ終わっていないんだ」と、ジムに移動。ストイックぶりは健在だった。

 昨季は死球から2度の長期離脱。13年ぶりに100試合に達しない83試合出場。打率も6年ぶりに3割に届かず2割4分2厘と、不本意な成績に終わった。「すべての部分で、もう1回見直して、やるだけ」と、完全復活への静かな闘志を示した。その姿勢は、前日19日に「無敵ジャイアンツ時代再来のスタートとなる『再興元年』としないと」と宣言した白石オーナーの発言に重なる。

 打撃練習は真っ赤なバランスマット上で、靴を脱いで行った。「今の時期での練習は基礎。両足を地面に付いて振れるようにする」。一足飛びではない、根本からの出直しを期す、決意表明のようだった。【金子航】