まずは先発調整!

 阪神久保康友投手(31)が先発、リリーフ論争に冷静に対応した。28日、甲子園のトレーニング施設を訪れた右腕の目の前には今、問題が横たわっている。先発か、リリーフか。和田監督の発言に端を発した論争は答えが出ていない。ただ、当の本人は泰然自若としていた。

 キャンプまでに首脳陣と起用法について話し合いが持たれるのなら、意見を言うのか。そう問われた久保は淡々と話した。

 「それは選手がどんどんアピールすることじゃない。適性は見てくれていると思う。(今は)自分の能力を上げることにしか興味はない。どこで起用するかは上の判断です」

 希望を言うことはない。どんな役割も全うするというプロの覚悟だろう。ただ、同時に阪神での3年間で31勝を挙げている自身の土台は、「先発投手」であるという自負もにじんだ。

 「何か(起用法が)変わる時は(首脳陣から)言われるんだと思う。何もなければ、そのまま調整する。もしかしたら途中で(起用法の変更を)言われるかもしれないし」

 キャンプ初日までに首脳陣から指示がない限り、2012年の久保康友は先発投手としてスタートする。先発とリリーフでは練習方法が異なるという持論を持つが、“論争”に振り回されることなく腹を決めていた。

 これまで石垣島で自主トレを行っていた。「ピッチングは2、3回したかな」。肩の仕上がり具合に納得の表情。「2月1日?

 その日(ブルペンに)人が多ければ投げない。人がやらない時にのんびりやれれば。いつも通り、気まぐれにやります」。とらえどころのない言葉の裏に確固たる信念を感じさせた。