4点差をひっくり返されても追いついた。DeNAは28日、開幕戦(3月30日)の相手、阪神との練習試合に引き分け。中畑清監督(58)は逆転勝ちした25日巨人戦に続き、伝統球団に負けなかったことに「気分的には悪くない。私にとっても、ナインにとっても、スタッフにとっても頑張ってきたかいがある。これを本番でみせられたら」と手応えをにじませた。

 勝ち越されても、あきらめない姿勢を評価した。1点ビハインドの7回。2死から四球と安打で一、二塁とすると、藤田が小林宏の初球を左前に運び、追いついた。「ただの1点じゃない。あきらめない気持ちから生まれた1点。あれを忘れてほしくない」。繰り返し選手に伝えてきた、勝利への執念を実感できた瞬間だった。

 負けになれた空気を払拭(ふっしょく)するためにこだわってきた「声」は、阪神を圧倒していた。キャンプ中のシートノック。中畑監督は両翼のフェンスから選手の動きを見守った。「捕手からの声もだけど、それに応える声もしっかり出ているか、チェックできるからね」。この日は守備だけでなく、攻撃中もグラウンド、そしてベンチから威勢のいい声が響き渡った。「頑張ったら頑張っただけ報われるもの。結果が伴えば喜びになる。それが勢い、ノリに変わってくる」。この勢いで開幕までの1カ月を突っ走る。【佐竹実】