西武菊池雄星投手(20)が先発ローテーション争いで窮地に立たされた。2月29日、韓国LG戦(安芸)に先発。5回を投げ、9安打5失点(自責4)と打ち込まれた。渡辺監督は「(先発候補は)いっぱいいるし、今日みたいなピッチングだとチャンスが少なくなる」とバッサリ。開幕ローテ入りへ、次回登板が正念場になる。

 菊池はマウンド上で、何度も首をひねった。走者を許す度に、スコアボードに刻まれる得点。最速147キロをマークするなど直球は走っていたが、結果は好対照だった。「悔しいですね。ストレートは今までで一番良かったし、久しぶりに納得のいくボールだったんですけど。打たれたのは自分の力不足です」。潔く振り返ったが、表情は曇ったままだった。

 昨年から課題のセットポジションでの投球で、別人になった。1回1死一、二塁、低めのスライダーを左中間に運ばれ、先制点を献上。4、5回も安打を浴び、走者を背負った瞬間に自分の投球を見失った。140キロ台中盤だった直球は130キロ台後半に落ちこみ、勝負どころでの変化球を痛打された。「直球が走っていたし、勢いでいってしまった」と反省したが、渡辺監督は「ランナーを出した時に(打者を抑える)雰囲気がなさそうに見える」と指摘した。

 開幕ローテーションについて、首脳陣は横一線を明言。6枠を巡り、サバイバルを設定した。3年目の菊池も先発枠奪取へ、キャンプ序盤から猛アピール。対外試合での開幕投手を勝ち取るなど、結果で応えてきた。それだけに、渡辺監督は「ちょっと期待外れだよね。ローテを争っているピッチャーが、今日みたいなピッチングだと、チャンスが少なくなる」と次回登板を正念場に定めた。

 試合後、自らの置かれた立場を理解するように、菊池が言った。「同じミスを繰り返さないように。自分の立場では0に抑えていかなきゃいけないし、結果が全て。結果を追い求めていきたい」と力を込めた。渡辺監督も「(課題を)次に生かしてくれないとね。次の登板には期待したい」と奮起を期待した。窮地に立たされた次回登板に、真価が問われる。【久保賢吾】

 ◆西武先発事情

 現状では渡辺監督は横一線を明言するが、開幕投手の最有力候補の涌井、岸、新人王の牧田、昨季チーム勝ち頭の西口の開幕ローテーション入りは濃厚とみられる。経験豊富な石井、ドラフト1位の十亀、3年目の菊池、2年目の大石、守護神の可能性もある新外国人のゴンザレスらで激しい争いを繰り広げる。