<阪神1-0広島>◇26日◇甲子園

 広島が緊急事態に陥った。右肘を痛めている栗原健太内野手(30)が、手術に踏み切る可能性が出てきた。26日に出場選手登録を抹消。近日中に群馬・館林市内の病院で精密検査を受ける。診断次第で、今季絶望の可能性もある。チームは阪神に延長11回サヨナラ負けして借金1。栗原の復帰が遅れるほど、貧打にあえぐチームは苦しくなる。

 栗原は大きな決断を迫られそうだ。この日、右肘痛のため登録を抹消された。午前中に本隊から離れ、近日中に群馬・館林市内の病院で精密検査を受ける。手術の可能性についてチーム関係者は「診断結果次第ではあり得る」と語った。診察後に本人と球団、医師との話し合いで今後の方向性を決定する。

 石井チーフトレーナーは「前回は投げる方だったけど、今回は打つ方。骨が大きくなって、痛みが出ている」と説明。栗原は08年オフに右肘の遊離軟骨除去手術を受けた。軽度の手術で、今回は再発と見られる。同様の手術を行えば全治3カ月。完全除去の手術なら今季絶望となる見込みだ。痛み止めを使用しながらプレーを続けオフに手術する選択肢もある。主砲の決断が今後の戦況を大きく左右する。

 主砲不在となった打線は、阪神投手陣に抑え込まれ、今季5度目の0封負けを喫した。9回1死一、三塁で4番ニックが三振、2死二、三塁となり広瀬も連続三振。再三のチャンスを生かせなかった。栗原に代わって3試合で4番に座ったニックは10打数無安打とブレーキになっている。

 野村監督

 チャンスはつくっているんだけど、うちのペースで点が取れない。相手は打てなくても、エラーで点を取る。当事者が打つしかない。去年もそうだったけど、それが(シーズンの)最初に来たのか、続いていくのか…。

 昨季はリーグワースト記録を更新する50イニング無得点の不名誉記録をつくっている。

 この日3安打の東出は前を向いた。「これが続けばいい。選手会長じゃなくても、責任を感じる。経験があるのは、ヨギ(梵)と純さん(広瀬)ぐらい。引っ張っていかないと」。ついに借金生活に突入。好投を続ける投手陣に報いるためにも、打線が奮起するしかない。【鎌田真一郎】