<DeNA12-1中日>◇5日◇横浜

 最下位DeNAが派手に勝った。今季最多となる15安打12得点で首位中日から今季初勝利を挙げた。1回にラミレス、中村の連続適時二塁打で波に乗ると、吉村には2打席連続アーチが飛び出す先発全員安打。こどもの日に今季初めて大入りとなった本拠地・横浜スタジアムのファンも大喜び。返金要求ができる企画チケットも、購入者48人のうち半数以上が満足して全額を払った。

 信じられない大爆発は、ベテランコンビが起こした。1回裏2死一塁、4番ラミレスが左中間へ二塁打を放ち先制点を挙げた。続く中村の二塁打で追加点。前日4日の9回裏、連続アーチで引き分けに持ち込んだ2人が連日の活躍を見せると、貧打DeNA打線もさすがに活気づいた。

 先発全員の15安打で12得点。三浦に長打が出ていれば、先発全員が長打という猛攻だった。中日戦の今季初勝利でもあり、中畑清監督(58)は「夢を見ているような世界。中日相手のこどもの日に、これだけお客さんに入っていただいて一番いいプレゼントができた」と、声のトーンを上げた。試合前までチーム打率1割台に低迷していただけに「これ(他の試合に)分けられないよね?

 こんなにいきなり変貌しちゃってさ」と、うれしそうに話していた。

 不調が続いていたラミレスは「ボールもよく見えるようになっている。ようやく期待されていた姿を見せることができる」と、復調に自信を見せた。1日のヤクルト戦直前、自ら呼び掛け選手だけのミーティングを開いた。「過去は戻ってくるものじゃない。ファンのためにも、絶対下を向いたプレーを見せちゃいけない」と鼓舞した。中村も「どんな形でもいいから、チームに貢献してやろうと思わないと」。発展途上のチームをまとめようとするベテランに、中畑監督も「中軸の存在感は大きい」と信頼を寄せている。

 試合後にもうれしいことがあった。ゴールデンウイーク中は、試合内容の満足度に応じて返金に応じる企画「全額返金!?

 アツいゼ!

 チケット」を実施している。ここまでの3試合は8割以上の購入者が返金を求めてきたが、この日は半数以上が全額を払った。担当者は「たくさんの人がアンケートに満足したと書いてくれ、本当によかった」。窓口の付近では、一般ファンから購入者に「今日は返金なしだろう」と声も飛んだという。借金9の最下位だが、いい戦いをすればファンは喜んでくれる。【佐竹実】