広島堂林翔太内野手(20)が13日、マツダスタジアムで、初めて全体練習の休養日に野村謙二郎監督(45)から守備の特別指導を受けた。チームトップ11本塁打のパワーは大きな武器だが、リーグワーストの22失策という弱点がある。初のCS進出を実現させるためには、1つのミスが命取り。指揮官の思いを受け止め、チーム唯一の全試合出場に向けて仕切り直す。

 堂林の守備に指揮官のメスが入った。午前11時、マツダスタジアム。前田健、野村の先発2人に交じって、練習着をまとっていた。休日返上の“常連”となっているが、最初に向かったのはバッターボックスではなく、三塁の守備位置だった。

 まずは、野村監督が投げるボールを捕球し、ステップを踏んでからの一塁送球を繰り返した。約10分間のレッスンのあとは、指揮官直々のノックで動作の確認。炎天下の中、約30分の特別指導となった。ホームゲームの早出練習では早出特守も行っているが、休養日に監督から守備の指導を受けるのは初めてだった。

 堂林

 (休日返上は)いつもと変わらないです。ずっと休みも出てきているので。チームにとっても、僕にとっても大事な時期なので。(フル出場も見えてきたが)それは、もちろん。

 初めて1軍のシーズンを戦う堂林は、チームで唯一全99試合に出場している。打撃では長距離砲としての能力が開花し、チームトップの11本塁打をマークしている。一方で22失策はリーグワースト。11日の阪神戦(京セラドーム大阪)では、木村が守備固めに入り途中で試合を退いた。

 高野手チーフコーチは「(レギュラーは)与えられたものだから、つかんでもらわないとね。今年1年は休まずやると、強化指定選手ということ。(11日は途中交代したが)最後まで出てほしいのはあるけどね」と説明する。

 持ち味の打撃も、最近7試合は25打数4安打0打点と調子を落とし、前日12日阪神戦(京セラドーム)では主軸を外れた。この日は守備練習の後、指揮官の指導の下でロングティーも行った。今日14日からは、CS争いを繰り広げるヤクルトを本拠地で迎え撃つ。指揮官の思いを受け止め、堂林はグラウンドに立ち続ける。【鎌田真一郎】