沖縄・国頭(くにがみ)の2軍キャンプスタートとなった日本ハムのドラフト1位、大谷翔平投手(18=花巻東)が、2年目を迎える早大ソフトボール部出身の大嶋匠捕手(22)との相部屋に内定したことが27日、分かった。投打の二刀流挑戦で大きな注目を浴びるが、同様に昨年、異色の経歴で注目を浴びた「ソフトボーイ」からのアドバイスも期待できる環境。頼もしいルームメートからサポートを受ける。

 初キャンプを目前にした大谷が、頼りになる先輩と寝食をともにする。宿舎でのルームメートとして、昨年の注目ルーキー大嶋、2年目投手の上沢も加えた3人部屋が内定。異色の経歴が注目された大嶋は「相談されることがあれば、何でも乗りますよ」と指南役に名乗りを上げた。

 大谷にとって、ファンや報道陣からの熱視線が必至なだけに、強力なサポート役を得た。さらに、宿舎は癒やしの空間となりそうだ。新人合同自主トレでは、ブルペン入り後に打撃練習という流れを体験済みだが「キャンプでは、どうなるか分からないですけど」と不安もある。他の選手と離れ、単独行動も多くなるだけに部屋に戻れば相談役がいるのは心強い。

 大嶋は野手としては同じ左打ちで、投手としてはバッテリーを組む捕手という間柄。投打両方の目線で話が通じる。「いろいろ話を聞いてあげられればいいですね」と話す先輩の心遣いは、大きなメリットとなる。

 大谷は栗山監督から外出制限を受けているが、先輩が助け舟を出してくれそうだ。大嶋は「いろいろ大変そうなので、(コンビニなどに)買いに行ってあげようかな」と、後輩の“パシリ”役も辞さない覚悟だ。「一緒にキャンプ中に1軍に上がれれば」と、優しくて頼もしいソフトボーイは共闘を宣言した。

 新人合同自主トレも最終クールに入ったが、精神的な疲れも見え隠れする。高校時代のライバル、阪神藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)の近況について「全然、分からないです。(報道も)最近は見ないですね」と、自分のことで精いっぱいの様子。キャンプでも同様に、追い込まれる心配もあるが「僕も、去年はこの時期が(疲労の)ピークでしたね」(大嶋)と、心境を理解してくれる先輩がいる。二刀流挑戦に格好の環境が準備された。<主な高卒新人のキャンプ同部屋>

 ◆93年巨人松井

 18年目のベテラン篠塚と。キャンプ初日は篠塚が先に起きてカーテンを開けたが、2日目からは松井が開けたという。

 ◆99年西武松坂

 社会人ルーキーの星野と。東尾監督が「グラウンドで緊張する分、宿舎の部屋はリラックスした方がいいだろう」との理由で決めた。

 ◆05年日本ハム・ダルビッシュ

 中学時代に所属したオール羽曳野で1年先輩の金森と。右ひざ関節炎で2軍での別メニュー調整となった。

 ◆07年楽天田中

 2年目の青山と。青山が練習熱心なまじめな性格であることから教育係を託された。

 ◆08年ヤクルト由規

 同期入団の加藤(慶大)と。休日には一緒に焼き肉を食べるなどリラックス。

 ◆10年西武雄星

 仲がいい同期入団の松下(早大)と。「心強いです。普段から良くしてもらっています」と喜んだ。