<練習試合:日本ハム2-7阪神>◇10日◇名護

 虎の開幕投手が「遅球」を駆使した。先発岩本輝投手(20)が3回2安打無失点。日本ハムの誇る陽岱鋼、中田、稲葉のWBC代表候補クリーンアップを封じた。陽岱鋼には外角低め直球で見逃し三振。最速139キロ、そして最も遅いカーブは86キロ。50キロ以上の緩急を使い分けた。

 岩本

 自分は飛び抜けた真っすぐじゃないので、そういうの(遅い球)を使って見せないと。結果を残さないといけませんから。

 生命線を守った。3年目右腕は徹底してアウトローを突いた。「練習の大半は右の外の球。それがゲームで投げられた」。9つのアウトのうち、6つを内野ゴロで奪った。今オフは先輩の渡辺に弟子入り。「ただ外に投げるのではなく、角度をつけて。キャッチボールから角度をつけるように」との言葉を胸に、プロで生きる道を探し当てた。

 昨年9月9日の中日戦でプロ初登板初先発で勝利するなど2勝を記録した成長株。「ローテ争いしてほしいので2013年の初戦に」と送り出した和田監督も「低めに丁寧に集めていた。彼は合格点」と目を細めた。「狙ってますし、入れるようにアピールしていきたい」と力を込める20歳が勢いづいた。【近間康隆】