頼んだぞマエケン!

 カープの今季初勝利は、エース前田健太投手(24)に託された。開幕戦で惜敗した広島は、30日の第2戦も延長12回の激闘の末、1-1で巨人と引き分けた。WBCで貴重な経験を積み、調整期間をおいて開幕3戦目が初戦となった右腕が、コイに今季初白星を運ぶ。

 カープに今季初白星を運んでくるのは、やはり、この男しかいない。前田健が、満を持して今季初登板する。東京ドームで調整したエースは、多くの報道陣に囲まれ、シーズンインの意気込みを語った。

 前田健

 それなりに緊張はすると思いますし、自然と気持ちも入るでしょう。(チームに勝ちがないが)投げるときの状況はあまり関係ないですね。

 開幕戦を落とし、この日は4時間2分、延長12回の激戦の末、1-1で引き分けた。スタートダッシュを狙うには、1試合でも早く白星を手に入れたい。だからこそ、WBC日本代表で修羅場をくぐり、スケールアップした右腕の出番だ。昨季は1試合しか登板しなかった巨人戦にも、戸惑いはない。

 前田健

 変わったのは新外国人くらいじゃないですか。強力打線なので気をつけながらですが、投げる前からびびっていてはダメ。昨年も1試合だけど勝っているので、悪いイメージはありません。

 WBCで同僚だった巨人の選手との対決。投げ合うのは左腕内海だ。侍同士の真剣勝負に、必勝を期した。「内海さんとの投げ合いは楽しみ。厳しい試合になるでしょうけど」と気持ちを高ぶらせた。

 攻守の要として頼もしい存在だった阿部は、手ごわい強敵となって立ちはだかる。阿部とはWBCでバッテリーを組んでおり、投球の特徴や球種など手の内を知られている。そんな不安要素もどこ吹く風だ。

 前田健

 そういうことは特に気にしてないですね。(知られているのは)阿部さんだけで、全選手じゃない。阿部さんはWBCで組んだから嫌なんじゃなく、もともと嫌なバッターですし。

 初のCS進出を果たすためにも、チームに勢いをつける今季初星を目指す。それこそが、エースの役割だ。【高垣誠】