<巨人4-2阪神>◇16日◇東京ドーム

 最警戒だった「空中戦」であっさり散った。阪神和田豊監督(50)は「コツコツいったのがゴーンとね」と、分かりやすい擬態語で首をひねった。1回に先頭西岡の安打から相手失策で先制し、3回には新井の適時打で加点。地上戦の好ムードも、3回の阿部の1発でガラリと変わった。昨季12戦でわずか1勝の東京ドーム。逆転された虎はシュンとなり、早々と牙を抜いた。

 和田監督

 ひっくり返されてから、もう1度いかないとね。反発力が足りない。(宮国は)そんなに良くなかったけどねえ。

 勝利への執念は見せた。2点差の7回、代打坂が右翼ポール際に大飛球を打った。判定はファウル。打球のライン上にある三塁側ベンチを飛び出すと、ビデオ確認を求めた。結局判定通りだったが「今年は感情を出す」と宣言していた虎将の今季初抗議だった。

 貧打解消へ、ついに打線を改造する可能性も出てきた。6番新井貴にこそ復調の兆しが見えるが、5番福留は12打席音無し。7番コンラッドも2三振で、ともに打率1割台を低迷する。コンラッドについて指揮官は「振り返りたくない状態」と言い放ち。打順の組み替えを「そうだね。このまんまじゃいけないから」と否定しなかった。

 オープン戦では12球団トップの得点をマークした。それがシーズン15試合で球界ワーストの38点…。オフの補強で中村GMが「3・5点打線」と掲げた目標には遠い、1試合平均2・5点しか奪えない状況だ。昨年5月13日以来の「貯金2」もかなわず、再び勝率5割へ。猛虎伝説は、打たないと始まらない。【近間康隆】