日本ハム鈴木健矢投手(26)がプレッシャーに打ち勝ち、昨年6月9日阪神戦以来329日ぶりの勝ち星を挙げた。今季2度目の先発となったオリックス戦で、5回1/3を投げ1安打無失点。これまで伊藤、山崎というローテの柱が担ってきたカード初戦で快投を見せ、チームの9カード連続初戦白星に貢献した。

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無事に大役を務めあげた鈴木はホッとした表情で振り返った。「(伊藤)大海にもずっと(今カードは)『健矢が勝って3連勝やな』と言われていたんで(笑い)。プレッシャーかけられていたんで、よかったです」。5日に先発予定の同学年右腕からの期待に応えると同時に、もうひとつの重圧とも戦っていた。「カード頭はずっと勝っているイメージだったんで、プレッシャーはあった」。

レベルアップした投球術で数々のプレッシャーに打ち勝った。オリックス打線は、昨季まで鈴木が苦手とした左打者が6人並んだが、苦にしなかった。去年との違いは「真っすぐとスライダーだけ、みたいな感じだったのが、今はカーブもカウントが取れる球になったし、インコースも突けている」。100キロを切るカーブも随所に交え、左打者の内角を突くスライダー、通称「インスラ」も効果的で凡打の山を築いた。

打線の援護も快投のスパイスとなった。1回に3点の援護を受けたのは「すごく大きかったです」。立ち上がり、いきなり福田に安打を許しても「まあ3点あるしという気持ちで。先制点は取ってくれていたので、余裕はあるなという気持ちで」と心も乱れなかった。結果的に許した安打も、その1本のみ。6回途中までスイスイと投げ続けた。

1つだけ悔しかったのは、6回に1死を奪ったところで交代となったこと。「カード頭ですし、できるだけ長いイニングを投げたかった。そこまでの信頼がなかったということなので…」と話したが、勝利自体が329日ぶり。「全体的に力が抜けてうまく(打者のタイミングを)ずらせた。今日の投球が自分の本来の持ち味」と9カード連続初戦白星に導いた投球内容を続けていけば、自然と長いイニングも任されていくはずだ。【木下大輔】

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