ドラ1左腕が救世主になる。オリックスはドラフト1位松葉貴大投手(22=大体大)が5月1日ロッテ戦(京セラドーム大阪)でプロ初登板初先発することが28日、分かった。ここ5試合で33失点、ついに5連敗を喫したチームに、みなぎるエネルギーを注入する。

 最下位に沈んだチームは危機的状況だ。札幌ドームでは初戦を金子で落とし西でも勝てなかった。T-岡田をスタメンから外した改造打線は終盤の追い上げも届かなかった。森脇監督は「明日も試合がある。敗戦を次に生かしていく」と懸命に前を向いた。

 松葉がまさしく救世主になる。開幕ローテーションのマエストリが2軍に降格し、先発は現状5人。打開のため、ウエスタン・リーグ4試合で1勝1敗、防御率2・59と結果を残す松葉に白羽の矢が立った。前回登板の同リーグ、ソフトバンク戦で6回無失点。4安打で7奪三振し、昇格へ準備は万端だ。

 待ちに待った1軍デビュー戦だ。1年目10勝を目標に掲げていたが、キャンプは2軍スタート。ようやく1軍に呼ばれた紅白戦では1イニングに2本塁打を浴びた。プロの壁を痛感し「このままじゃ通用しない。鍛え直してきます」と出直しを誓った。挫折から2カ月間、研いできた牙で、かみつく時が来た。

 ◆松葉貴大(まつば・たかひろ)1990年(平2)8月14日、姫路市生まれ。東洋大姫路では外野手としてセンバツ4強。大体大に入学後、打撃投手からエースとなり阪神大学リーグ通算31勝。柔道初段。180センチ、77キロ。左投げ左打ち。