<ソフトバンク7-5西武>◇2日◇ヤフオクドーム

 これがメジャーリーガーの実力たい!

 ソフトバンクのブライアン・ラヘア内野手(30)がインパクト十分の活躍で、首位西武に連勝した。3回に8号ソロを放つと、6回には左腕武隈から技ありの決勝2点適時打。3打点で計25打点とし、リーグトップに躍り出た。愛妻のオムレツをパワーにする助っ人が4番に復帰後、チームも4連勝。開幕戦以来の貯金1と波に乗ってきた。

 クールな大男が珍しく一塁ベース上でほえた。それほどテンションが上がっていた。ラヘアが決勝タイムリーを放ったのは6回だ。5-5の同点に追いつき、なおも2死満塁。代わったばかりの左腕武隈をとらえた。2ボール1ストライクから外寄りのスライダーを、腹八分目のスイングで中前に運んだ。

 「サンキュー。アリガトウゴザイマス。すごく気持ち良かった。ランナーをかえしたい一心だった。試合に勝てばすごくうれしい」。お立ち台に呼ばれ、来日後は初めて日本語を交えてインタビューに答えるほど、上機嫌だった。

 カブスで16発の昨季は、対左投手の打率がわずか6分3厘。ところが今季の対左は19打数7安打の3割6分8厘と、対右の3割7厘も上回っている。心配された左アレルギーもどこへやら。「今は日本のスタイルに合わせてスイングしている」。開幕直後はチャンスをつぶすこともあったが、コンパクトな打撃に変えて好調をキープ。これで9試合連続安打とし、打点で再びリーグトップに立った。

 9年間連れ添っている愛妻ニコールさんの手料理もパワーの源だ。「奥さんの作ったオムレツのことを考えて打席に入っている。チーズ、トマト、ブロッコリーが入ってて、ケチャップが乗ってる。最近は毎日食べてるよ」。3回には10年8月から5連敗中だった西武野上から8号ソロ本塁打。観戦した父ノーマンさん(55)の前で活躍し「打てて良かったよ」とチャーミングに笑った。

 お立ち台の最後には「フクオカ、超!

 好イトウバイ!」と博多弁で福岡ラブを叫んだ。そして「奥さんが料理を作って待っているから早く帰らないと」。愛妻ぶりも強烈にアピールし、急ぎ足で車に乗り込んだ。【大池和幸】