<ヤクルト9-5楽天>◇5日◇神宮
貧打のヤクルトが強打に変身した。3点を追う6回、1イニング10安打8得点の猛攻で大逆転勝ち。5月13日以来の最下位脱出に成功した。小川淳司監督(55)が2軍昇格組などの若手を起用した采配が的中。スタメンには開幕2軍メンバー3人が顔を並べ、勝ち越し打は代打新田と若手が期待に応えた。
小川監督が勝負に出た。6回。同点に追いつきなお2死二塁。ここで代打に岩村を送ると、楽天は青山から左腕のハウザーに代えてきた。ここで「代えづらかったが」と、元メジャーリーガーのベテランに「代打の代打」を送り出す。その新田が中前に勝ち越し適時打を放った。開幕は2軍で4月下旬に昇格した選手だ。「ここで使ってくれた監督、コーチに恩返しがしたかった」と新田は笑顔を見せた。1イニング10安打8得点の猛攻で、一気に試合を引っ繰り返した。
試合前。小川監督は苦笑いをしながらも神宮球場宛てに送られてきた手紙の内容を明かしていた。「ファンレターというより苦情だな。ファームと総取っ換えしろ。いいかげんに気付けって」と。2軍は2位。しかもチーム打率は4日現在2割8分1厘でイースタン・リーグトップだ。
その中から打率3割4分9厘で2位の荒木を昇格すると即スタメン三塁で起用した。2回の無死一塁では初球を右前打してチャンスを広げた。「ファームでも初球、有利なカウントから積極的に打っていい結果を出してきた。『そのまま変えずにやれ』と真中(2軍)監督から言われました」と、振り返った。
総取っ換えというわけにはいかないが、スタメンのうち荒木、山田、比屋根、そしてヒーローの新田が昇格組だった。山田は3安打猛打賞で比屋根も1安打1盗塁2得点。佐藤作戦兼打撃コーチは言う。「今までのメンバーでなかなか結果が出ていない中で、若い連中が初球から思い切って行く。それがいい循環になったね」。フレッシュなパワーが相川の同点アーチ、ミレッジの満塁弾も呼び、5月13日以来の最下位脱出につながった。【矢後洋一】



