<DeNA0-2ソフトバンク>◇5日◇横浜

 帆足をなめるなよ!

 ソフトバンク帆足和幸投手(33)が交流戦12球団トップの3勝目を挙げた。7回3安打無失点に抑え、無失点リレーをけん引。昨年、肩の不調で不在だった交流戦で今年は3連勝、連続イニング無失点を15に伸ばした。摂津、大隣ら先発陣に離脱者が続く中、今が旬の帆足が踏ん張っている。

 “脂の乗った”帆足に過去のデータは通用しない。西武時代は防御率4・42、未勝利と苦にした横浜スタジアムでエース三浦との投手戦を制した。

 「三浦さんがいい投球をしてて、そんなに点数は入らないと。粘り強くいこうと思った」

 1回の金城に二塁を踏ませたきり、ピンチなし。7回を3安打無失点。公私とも仲良しの千賀と岩崎の後輩2人に託し、交流戦3つ目の白星を受け取った。

 両打ちを含め右打者8人を並べた相手打線を攻めた。代名詞であるスライダー軌道のパームボールだけでなく、直球でも内角を突いた。「外だけでは抑えられないから」。多村は1回に外角パームで空振り三振。6回は外の直球を続け、最後は定番の内角パームでなく、直球で詰まらせて遊ゴロ併殺に仕留めた。「勝己が内に投げろ、大胆に行けと言い聞かせてくれた」。ブランコにも内野ゴロ3個と、女房役の山崎との息もぴったり。直球は130キロ後半でも、超クイック投球など、裏をかく配球と間で崩していった。

 第1球を投じる前、そっと口づけを受けたボールが帆足の思いを乗せて走った。いつも以上に-。登板前日の4日は西武時代にお世話になった相馬勝也元コーチ(享年50)の通夜に参列。「それよりもチームのため勝ちたかった」。そう流したが、同じ西武OBの高山投手コーチの見方は違った。「帆足の意地を見せてもらった。緩急つけ、投げたい球を確率よく投げている。相馬から力をもらったんじゃないか。天国の相馬がしっかり投げろと言ってたんじゃないか」。それほど攻める姿勢だった。

 リーグ戦を加え、摂津に次ぐ4勝目。15イニング連続無失点とした。名字の1文字が入る帆立て貝は今が旬。「ばあちゃんの言いつけで食べない」と“共食い”回避の家訓を守る帆足が、セ・リーグ球団を食い倒していく。【押谷謙爾】