<阪神4-3ロッテ>◇9日◇甲子園

 最敬礼のバンザ~イだった。マートンの劇的な逆転サヨナラ2ランに、阪神和田豊監督(50)は満面の笑みを浮かべた。両手を大きく広げ、笑顔の主砲を出迎える。今季3度目の4連勝、うち3勝がサヨナラで、ふくらみ続ける貯金はついに「12」となった。巨人が敗れたため、1週間ぶりに首位返り咲き。劣勢でも、虎将には「聖地+藤浪」で反応する不思議な予感があった。

 和田監督

 甲子園で負けていないからね。何か追い付ける、ひっくり返せる、という雰囲気があった。ベンチにいる全員、総力戦で何とかひっくり返そうと。甲子園で負けていないというのが、いい方に出たね。

 先発は、甲子園で負けたことがない藤浪だった。黄金ルーキーをもり立てるべき先輩野手陣がミスで足を引っ張り、拙攻を続けて「不敗神話」ストップの大ピンチ。指揮官は攻めの采配で戦う姿勢を見せ続けた。

 同点にされた3回1死一塁は、4番マートンに2ボール1ストライクからランエンドヒットを仕掛けた。理想の右前打で一、三塁と好機拡大。6回は左腕服部に対し、高山と浅井を連続して代打に送り出した。8回の同点機は、大和に代えて神様桧山。9回は坂を今季初めて中堅に据える、覚悟の起用だった。リードされていても、好調なベテラン救援陣を続々と投入。執念が、最後に実った。

 和田監督

 まだ守る時期じゃないし、攻めの姿勢で、交流戦の1戦1戦を戦っていきたい。チーム的には貯金があれば余裕は出てくるのでね。

 ロッテには3分けを挟み3年越しの7連勝となった。甘~い恋人にまたも競り勝ち、交流戦優勝の可能性も残す。前日8日にAKB48の総選挙を見た和田監督は「一進一退を繰り返し、やっとここにきて流れが出てきている」。もう「女王さしこ」ほどのサプライズじゃない。すんなりとセ界のセンターに立つようになった和田阪神は、攻める牙だけ研いでいる。【近間康隆】