<広島1-6DeNA>◇30日◇マツダスタジアム

 4連勝では満足しません!?

 DeNAが17安打を放って快勝し、今季3度目の4連勝。3月を除くと、前身の横浜時代の07年以来となる月間勝ち越しを決めた。これまでの中畑清監督(59)なら笑顔満開のところだが、試合後に走塁ミスを指摘するなど厳しい姿勢を見せた。目標のクライマックスシリーズ進出に向けて、もうただ喜んでばかりはいられない。

 その顔はいつもの勝利後とは、明らかに違っていた。4連勝にもかかわらず、中畑監督は開口一番、「(安打の)本数のわりに点が入ってない。出来ることがやれてないのは怠慢プレーだよ」。喜ぶどころか、厳しい言葉を並べた。

 3連勝を決めた28日の阪神戦後は「3連戦でこれだけいい流れが見られるとはねえ」と、うれしさが先に出た。この日もスコアだけ見れば、6得点を挙げ、最少失点に抑えての快勝。にもかかわらず、厳しく振り返ったのは畳み掛けなければいけないところで「ミスが出て点に結び付かないところがあった」からだった。

 その象徴的なプレーが、1点リードの2回の走塁だった。先頭多村が中前打で出塁。続く荒波が左翼線への当たりで二塁へ向かおうとしたが、一塁走者多村は二塁でストップ。打った荒波は、慌てて一塁へ戻った。「自分の中での判断だったと思うけど、無死二、三塁に出来たところ。中途半端な打球判断で得点チャンスを逃している。それが相手にチャンスを与えることになる」。4回には1死一塁で石川がけん制死。勢いのある今だからこそ、「ブレーキをかけてしまう」(中畑監督)プレーが、勝利の陰に隠れてしまわないように指摘した。

 試合前、中畑監督は自分を引き締めるように言っていた。「3連勝は終わったこと。大事なのは今日でしょ。いかに勝ち試合を作るか。シンプル・イズ・ベストだね」。連敗すればあっという間に転げ落ちる。だから1戦必勝を強調した。

 今日31日の相手先発は、エース前田健。「マエケン相手にミスは許されない。ミスを犯した時点で負ける」と言った。17安打放った打線の力には手応え十分。会見の最後は「ナイスゲーム!」で締めくくったが、勝った喜びはしまい込んで、目の前の戦いに挑む。【佐竹実】

 ▼DeNAが7月を12勝9敗とし、月間勝ち越しを決めた。月間勝ち越しは今年3月(2勝1敗)以来だが、4月以降では07年10月(5勝4敗)以来6年ぶり。7月はリーグトップのチーム打率2割8分4厘、116得点と打線が好調。21試合で2失策と守備も安定し、月間防御率も3・53と今季初めて3点台となっている。