日本ハム大谷翔平投手(19)の投打「二刀流」挑戦が、一時休止されることが5日、分かった。今日6日の今季最終戦(対西武、札幌ドーム)を終えると、秋季教育リーグ・フェニックスリーグ(7~28日、宮崎)への参加が決まっているが、同リーグでは投手に専念。ローテーションを守り一定間隔で登板し、合間に野手での出場を一切しない方針だ。チームはこの日、今季の2ケタ勝利投手0がほぼ確定。来季は投手主体となる大谷の飛躍が期待される。

 2ケタ勝利不在の投手陣を立て直すキーマンとなるべく、大谷の「一人二役」は、いったんお休みとなる。今日6日の西武戦後は、フェニックスリーグ(宮崎)に合流するが、球団は同リーグ期間中は投手に専念させ、打者として打席に立つことをさせない方針。今季ラスト登板となった4日ソフトバンク戦後、栗山英樹監督(52)も「いろいろ考えていることがある」と、今後の育成法について含みを持たせていた。

 「二刀流」に挑戦した今季も、開幕戦は打者としてスタメンに名を連ねたが、基本的には投手を優先させ、登板前後の野手での出場は回避するように配慮してきた。だが、宮崎では約3週間もの間、一切打席に立たない。これは初めてのケースとなる。

 今年最後の対外試合を、来季へのステップとする考えだ。同リーグでの起用プランを「中6日くらいか」と問われた黒木投手コーチは、「そのつもりで考えている。3回くらいは投げられる」と、公式戦中のローテ投手と同じように、一定間隔で先発させる方針を明かしている。その間、野手での出場はさせず、他の先発投手と同じように調整に専念させる。

 もちろん来季も、「二刀流」は継続する。今回の一時休止も、来年を見据えての措置。来季は投手での比重が大きくなり、先発ローテ入りしながら、体の状態を見て、合間に野手で出場するのが理想型。その下地をつくるため、今回のフェニックスリーグ期間は、先発ローテ投手の調整だけに専念させることにする。今月30日から行われる秋季キャンプ(沖縄・国頭)では、再び「二刀流」が再開される見込みだ。

 栗山監督は来季の大谷について「もう高校生という見方はされない。やるものはやってもらわないといけない」と、2ケタ勝利を目標に、高いハードルを設けて期待をかける。2年目へ向けた準備は、シーズン終了と同時に始まる。大谷は「(課題の)優先順位はつけられないけど、個々でやっていかないといけない。フェニックスで試していきたい」と意気込んでいる。

 ◆フェニックスリーグ

 宮崎市、西都市など宮崎県内で開催され、若手育成に主眼を置いた秋季教育リーグで、今年は7~28日までの22日間、全144試合が行われる。国内12球団に加え、韓国プロ3球団に独立リーグ四国アイランドリーグplus選抜も参加し、全16チーム。指名打者制で、1軍選手がクライマックスシリーズ、日本シリーズの調整として出場することもある。入場料は無料。日本ハムは7日ソフトバンク戦(アイビー)から28日オリックス戦(生目の杜第2)まで18試合を行う。