三塁挑戦中の日本ハム中田翔内野手(24)が、新・鬼軍曹から愛のムチを受けた。30日、沖縄・国頭での秋季キャンプがスタートした。いきなり特守に新任の白井一幸内野守備走塁コーチ兼作戦担当(52)がノッカーで登場。最初のターゲットに選ばれた。打球だけではなく、きつい“口撃”の連続。「顔に当たってもいいやろ!

 オレと違って顔を売りにしてないし」「そんな恐ろしい顔して怖がってどうするんや。ボールのが怖いわ」。代わる代わるゲキが飛ばされた。

 わがままも受け入れられず、口答えする暇もなく、ひたすら受けるしかなかった。こらえ切れず「あと3本!」と懇願しても通るはず無く「あと何本か?

 オレが決めるんや!」と突き返された。一緒に取り組んだ西川、松本の前でも、先輩の威厳を保てずにヘロヘロ。約1時間以上みっちりしごかれた。最後に「いけるやないか」と、三塁コンバート成功に太鼓判押されたのが、救いだった。

 南国の穏やかな雰囲気が、一気に引き締まった。内野手の育成に定評のある白井コーチから早速、身ぶり手ぶりで、辛口の熱い手ほどきを受けた。「緊張するわ」と漏らしてしまうほどのピリッとしたムードに、いつも以上にハキハキと声を出し、奮い立たせながらの再始動。「厳しいこと言いながらも、顔はニコっとしていたからね。技術を頭ごなしに言われたら、オレなんかやめてるよ」。期待の表れの強烈メニューにも、納得顔で受け入れていた。【田中彩友美】